まずデータを確認:30代・二人以上世帯648世帯の集計
J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」は、2025年6月20日から7月2日にインターネットモニター方式で実施されました。二人以上世帯の回答は5000世帯で、この記事が扱う世帯主30代の分類別集計は648世帯です。単身世帯の結果ではありません。31
100万円未満30.3%、1000万円以上25.8%
J-FLECの金額階級をMoney Nowが再集計すると、金融資産非保有17.6%と100万円未満12.7%の合計は30.3%です。一方、1000万円以上は25.8%で、そのうち2000万円以上は12.5%でした。1
同じ30代・二人以上世帯でも、100万円未満の層と1000万円以上の層がそれぞれ4分の1を超えています。平均や中央値だけでは、この金額帯の広がりまでは分かりません。12
- 金融資産非保有+100万円未満:30.3%
- 100万円以上500万円未満:25.6%
- 500万円以上1000万円未満:15.7%
- 1000万円以上2000万円未満:13.3%
- 2000万円以上:12.5%
- 無回答:2.6%
平均1096万円、中央値311万円。差は785万円
平均は回答額の合計を回答世帯数で割った値です。中央値は、世帯を金融資産の少ない順に並べたとき、中央に位置する世帯の値です。今回の平均1096万円は中央値311万円の約3.5倍で、差は785万円あります。142
平均は一部の大きな金額に影響を受けます。中央値は中央の位置を示しますが、金額階級ごとの広がりは示しません。自分の位置を考えるときは、平均、中央値、分布を同じ調査対象で確認する必要があります。12
金融資産400万円は、平均より696万円少なく中央値より89万円多い
ここからはMoney Nowのモデルケースです。調査と同じ定義の金融資産を400万円持つ、世帯主が30代の二人以上世帯を想定します。金融資産非保有世帯を含む平均1096万円、中央値311万円、金融資産保有世帯だけの中央値500万円と比較します。1
400万円は全世帯平均より696万円少なく、全世帯中央値より89万円多く、金融資産保有世帯の中央値より100万円少ない計算です。同じ金額でも、比較対象によって平均との差は変わります。1
この比較は金融資産額だけを扱います。教育費など今後の使い道、住宅ローンを含む負債、毎月の家計収支は計算に含めていません。400万円が個々の世帯にとって十分かどうかを示す試算ではありません。
- 全世帯平均1096万円との比較:696万円少ない
- 全世帯中央値311万円との比較:89万円多い
- 金融資産保有世帯の中央値500万円との比較:100万円少ない
調査の「金融資産」は口座残高や純資産とは異なる
この調査の金融資産には、将来に備えた預貯金、金銭信託、積立型保険、個人年金保険、債券、株式、投資信託、財形貯蓄などが入ります。現金、土地・住宅・貴金属、事業用の金融資産は含みません。預貯金でも、日常的な出し入れや引き落としに備えた部分は除外します。32
このため「金融資産非保有」は、現金や銀行口座の残高が0円という意味ではありません。持ち家の価値は含まず、住宅ローンなどの負債を差し引いた純資産でもありません。一般的な「貯金」とは定義が異なります。2
まとめ:平均、中央値、分布を同じ条件で確認する
世帯主が30代の二人以上世帯では、金融資産の平均は1096万円、中央値は311万円でした。金融資産非保有と100万円未満の合計は30.3%、1000万円以上は25.8%です。平均だけでは、金額帯の広がりは把握できません。1
自分の家計と比べる場合は、J-FLECと同じ金融資産の定義にそろえ、単身・二人以上世帯など調査対象を確認します。負債や今後の支出は金融資産額に含まれないため、別に確認する必要があります。32
- 比較する世帯区分と金融資産の定義をそろえる
- 平均、中央値、分布をセットで確認する
- 負債と今後の大きな支出は別に確認する






