年齢差5年なら、2026年度額を固定して211万8500円
日本年金機構の「加給年金額と振替加算」によると、2026年度の配偶者分は年24万3800円です。さらに、老齢厚生年金の受給権者の生年月日に応じて年3万6000円〜17万9900円の特別加算があります。1
現在65歳前後の人は昭和18年4月2日以後生まれに当たるため、ほかの要件を満たせば合計は年42万3700円です。未受給相当額は「繰下げ待機月数」と「配偶者が65歳になるまでの対象月数」の短い方に、年額の12分の1を掛けて考えます。12
未受給相当額 = min(老齢厚生年金の繰下げ待機月数、配偶者が65歳になるまでの対象月数)× 年間の加給年金額 ÷ 12
Money Now編集部試算12
| 年齢差 | 対象月数 | 未受給相当額 |
|---|---|---|
| 1年 | 12カ月 | 42万3700円 |
| 3年 | 36カ月 | 127万1100円 |
| 5年 | 60カ月 | 211万8500円 |
| 10年 | 120カ月 | 423万7000円 |
実際の対象月数は二人の誕生日の日付で変わり、加給年金額も年度ごとに改定されます。この表は将来の受取額を確約するものではなく、判断前に見落とす金額の規模をそろえた条件で示す試算です。59
年下の配偶者がいるだけでは対象にならない
加給年金が加算される基本条件は、本人の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、65歳到達時点などで、生計を維持している65歳未満の配偶者がいることです。加算には届出が必要です。15
日本年金機構の生計維持の定義では、原則として生計を同じくし、配偶者の前年収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満であることが必要です。同居だけが唯一の判定材料ではなく、別居でも仕送りや健康保険の扶養関係などで認められる場合があります。4
一方、配偶者が一定期間以上の老齢厚生年金や退職共済年金を受け取る権利を持つ場合、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金が支給停止となります。実際に老齢厚生年金を受け取っていなくても、受給権があれば停止となる場合がある点に注意が必要です。17
| 受給権者の生年月日 | 合計年額 |
|---|---|
| 昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日 | 27万9800円 |
| 昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日 | 31万5700円 |
| 昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日 | 35万1800円 |
| 昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日 | 38万7700円 |
| 昭和18年4月2日以後 | 42万3700円 |
繰下げ中は支給されず、42%増の土台にも入らない
日本年金機構の繰下げ受給の説明では、増額率は1カ月につき0.7%です。65歳から70歳まで60カ月なら42%増、75歳まで120カ月なら84%増となります。2
ただし、繰下げ待機中は加給年金を受け取れず、加給年金額は繰下げ増額の対象にもなりません。年齢差5年の夫婦で老齢厚生年金を70歳まで待つと、配偶者が65歳になるまでの60カ月と待機期間が重なります。要件を満たしていても、その60カ月分を待機後に上乗せして受け取る仕組みではありません。2
「厚生65歳・基礎70歳」も同じ時間軸で比べる
老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げできます。この仕組みを使うと、老齢厚生年金は65歳から請求して加給年金の対象期間を確保し、老齢基礎年金だけを70歳まで繰り下げる比較ができます。26
本人の老齢基礎年金を2026年度の満額84万7300円、老齢厚生年金を年120万円、配偶者加給年金を年42万3700円と置きます。夫婦の年齢差は5年で、金額は5年間変わらず、税・社会保険料、在職老齢年金による停止、振替加算は考えません。812
| 請求方法 | 65〜69歳の5年累計 | 70歳以後の年額 |
|---|---|---|
| 基礎・厚生とも65歳 | 1235万5000円 | 204万7300円 |
| 基礎・厚生とも70歳 | 0円 | 290万6166円 |
| 厚生65歳・基礎70歳 | 811万8500円 | 240万3166円 |
両方を70歳まで繰り下げる案は、70歳以後の年額が大きい一方、65〜69歳の受取額は0円です。厚生年金を65歳から受け取る案では、その5年間に厚生年金と加給年金を受け取り、基礎年金だけ42%増やします。どれが有利かは本人の年金額、就労、寿命、税・社会保険料で変わるため、この試算だけで結論は出せません。2
請求方針を決める前に確認する6項目
- 本人と配偶者の生年月日を並べ、本人65歳から配偶者65歳までの月数を出す
- 本人の厚生年金・共済の加入記録が240月以上かを確認する
- 配偶者との生計同一関係と、前年収入・所得を確認する
- 配偶者自身に長期加入の老齢厚生年金・退職共済年金や障害年金の受給権がないかを確認する
- ねんきんネットで、基礎年金と厚生年金の受給開始年齢を変えた試算を保存して比較する
- 加給年金が見込額に含まれているか、年金請求書を持って年金事務所で確認する
加給年金の手続きと必要書類では、続柄を確認する戸籍、世帯全員の住民票、配偶者の所得証明書などが案内されています。マイナンバーの記載で一部を省略できることもありますが、個別に提出を求められる場合があります。5
ねんきんネットの詳細試算では基礎年金と厚生年金の受給開始年齢を別々に設定し、結果を5件まで保存できます。ただし、原則として加給年金などの配偶者情報は試算へ反映されません。基礎・厚生の比較に使い、加給年金は別枠で確認します。67
最寄りの年金事務所を探すときは、二人の生年月日、双方の加入記録、届いた年金請求書をそろえ、「厚生を65歳・基礎を70歳」「両方を70歳」の2案で、加給年金の対象月数を含む世帯累計を確認します。35
まとめ:年齢差と基礎・厚生の請求月を同じ表にする
2026年度の配偶者加給年金は、受給権者の生年月日別特別加算を含め年27万9800円〜42万3700円です。現在65歳前後の人に当たる年42万3700円のケースでは、年齢差5年と5年の待機が重なると、2026年度額を固定した未受給相当額は211万8500円になります。12
ただし、加給年金は年下配偶者がいれば自動的に全員へ付くものではなく、繰下げが常に不利とも限りません。ねんきんネットでは基礎・厚生の請求年齢を分けて比較し、加給年金が見込額に含まれているかは年金事務所へ確認する。この二段階が最初の行動です。167









