親の退院後に必要なのは、自分の休業日だけでなく、介護サービスの開始日や家族が対応できる日の調整です。厚生労働省も介護休業を、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間と位置付けています。生活費の見通しも、この日程づくりと一緒に考えられます。4
雇用保険に加入していても、給付の資格は別に確認する
今回の対象は、親の介護体制を整えるために2026年10月1日から30日まで全日休業し、その後の職場復帰を予定する人です。親が、けがや病気などにより2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であることが前提になります。退院したという事実だけで、自動的に給付対象が決まるものではありません。12
原則として、休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上必要です。足りない場合は、賃金支払基礎時間が80時間以上の完全月も算定します。過去に基本手当などの受給資格決定を受けている場合は、その決定後の期間が対象です。本人の疾病などによる算定期間の特例もあります。2
有期契約では、開始予定日から93日を経過する日からさらに6か月を経過する日までに、更新後を含む契約が満了することが明らかでないことも必要です。休業を取得できるかと、雇用保険の給付を受けられるかを、人事担当者へ分けて尋ねましょう。2
賃金月30万円の例で、無給と一部給与を並べる
計算の基準は、厚生労働省の介護休業給付Q&Aが示す、休業直前6か月の賞与を除く総支給額です。手取りではなく、保険料などを差し引く前の賃金を使います。1
6か月とも30万円なら、180万円÷180日=賃金日額1万円。10月1〜30日は、終了日を含む一つの支給単位期間で、支給日数は実際の30日です。開始日から1か月ごとに区切り、通常の期間は30日、最後の期間は終了日までの日数を使うので、休業した月を一律に「1か月分」と数えるわけではありません。2
無給なら1万円×30日×67%=20万1000円です。比較する給与6万円の例は、休業期間を対象とする給与が、この支給対象期間中の支払日に支払われる条件を置きます。前月の勤務分が休業中に振り込まれるケースと混同しないでください。2
2026年8月からの30日分の給付上限は36万6222円、計算用の賃金月額の上限は54万6600円、下限は9万6090円です。今回の30万円はこの範囲内なので上下限による置換はありません。給付率を高い給与へそのまま掛け続ける計算にはできません。52
生活費25万円なら、振込前と振込後の不足を分ける
無給のケースでは、給付後に残る生活費の不足は4万9000円でも、給付前に支払いが来るなら25万円をいったん用意する必要があります。給付で最終的に補える額と、支払日に口座へ置く額は違います。12
ここでは生活費を月25万円と仮定し、給付が来る前にその全額の支払日が来るものとします。さらに生活費へ含めていない、別払いの社会保険料・住民税などをB円とします。Bは平均値で埋めず、勤務先の徴収予定や納税通知書から自分の額を入れる欄です。給与からの控除がある場合は、使える給与をその分減らします。672
無給では、入金前に必要な現金は25万円+B円、給付後に残る不足は4万9000円+B円です。給与6万円を先に受け取り、その全額を支払いに使える仮定なら、入金前は19万円+B円、給付後は1万円+B円になります。給与の振込が支出より後なら、先に必要な現金はこの19万円では足りません。2
介護休業給付は非課税です。一方、健康保険・厚生年金などの本人負担保険料は介護休業中も負担します。会社の給与から引けないときの支払い方と期日は勤務先へ確認してください。住民税も、給与から徴収できなくなると普通徴収へ切り替わる場合があるため、無給なら請求もなくなるとは考えられません。167
振込は、おおむね支給決定日から1週間程度です。申請から1週間でも、休業終了から1週間でもありません。申請前の賃金確定、書類準備、審査を経て決定されるため、まだ決定していない給付を確定した入金日で家計表へ入れないことが大切です。12
資金表には、家賃、カード、保険料などを支払日順に記入し、その日までの確実な収入だけを差し引きます。用意する預金の目安は、日ごとの累計支出が累計収入を最も大きく上回る額です。復職後の給与が出る前に次月の支払いも来るなら、その分も足してください。上の25万円は、入金までの全期間を一律に賄う保証額ではありません。12
給与が残る場合、給付の減額だけで損得を決めない
休業中の給与が6万円残ると、給付は20万1000円のままではなく18万円に減ります。それでも給与との合計は24万円となり、無給時より3万9000円多くなります。2
今回の基準額30万円では、給与が13%に当たる3万9000円以下なら67%相当額を給付します。13%超〜80%未満では、24万円と給与の差額が給付額です。給与が24万円以上なら給付は0円になります。給与6万円に20万1000円を足すと、調整を見落として2万1000円多く見積もってしまいます。2
したがって、会社の有給扱いや一部給与があるときは、給付が減るかだけでなく、実際に使える給与と給付の合計、給与の支払日を見ます。また、休業中の就業は支給単位期間ごとに10日以下などの条件があります。今回の試算は全日休業です。資金不足を埋めるために働く日を増やす前に、給付への影響を確認してください。2
編集部の見方:休業の申出と資金表を同時に作る
希望どおり10月1日から休むための申出は、原則9月17日までです。厚生労働省の介護休業の申出案内を開き、勤務先の様式と提出先を確認します。同じ対象家族について通算93日・3回までの枠があるため、過去の取得分があれば残日数も確認してください。4
給付申請は休業終了後です。厚生労働省の手続き一覧表では終了翌日から2か月を経過する日の属する月末が期限です。10月30日終了なら10月31日から申請でき、原則の計算は12月末となります。3
今回は12月31日が行政機関の休日に当たるため、休日の特例を適用した期限は2027年1月4日です。ただし、期限まで申請を待つ必要はありません。休業申出書、賃金台帳、出勤簿、家族との続柄等の確認書類を誰がそろえ、いつ提出するかを先に決めるほうが、資金表を作りやすくなります。832
Money Now編集部は、介護休業を取れるかという判断には、給付率より先に「最初に残高が足りなくなる日」を見つけることが有効だと考えます。休業日程、給与と保険料の徴収、給付の申請予定を勤務先へ同時に確認し、その日までに使える預金と家族で分担できる支出を具体化してください。412








