まずは、「月3万円は高すぎるのか」から見ていきましょう。
夫婦で月3万円は高い? 平均だけでは決められない
生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の生命保険料は年平均35.3万円でした。月に直すと約2万9417円です。月3万円は平均にかなり近い水準です。12
ただし、「平均に近いから大丈夫」とは言い切れません。この平均には個人年金の保険料も含まれます。家族の人数、貯金、住宅ローン、勤務先の保障も家庭ごとに違います。金融庁も、収入や資産、今後の生活に合わせて必要な保障と無理なく払える保険料を確認するよう案内しています。そこで、月3万円をひとまとめにせず、中身を分けて見ていきましょう。14
まずは、月3万円を3つの保険に分けてみる
ここからは、共働きの40代夫婦、小学生の子ども1人、住宅ローンあり、夫は機構団信に加入しているというMoney Now編集部の仮想ケースです。実在の世帯や商品ではありません。3枚の保険証券を机に並べるつもりで、月3万円の中身を見てみましょう。
| 契約 | 月額 | 年額 | 最初の判定 |
|---|---|---|---|
| 夫の死亡保険 | 1万2000円 | 14万4000円 | 減額を検討 |
| 夫婦の医療保険・特約 | 8000円 | 9万6000円 | 残す条件を確認 |
| 個人年金・貯蓄性保険 | 1万円 | 12万円 | 急いで解約しない |
3本とも保険ですが、まとめて2割ずつ減らすのは避けたいところです。死亡保険は残された家族の生活費、医療保険は入院時の支出、個人年金は老後資金に備えるものです。同じ1万円前後でも役割が違うので、一つずつ確認していきます。
死亡保険:団信に入った後も、同じ保障が必要?
まずは死亡保険です。団信は、住宅ローンを借りた人に万一のことがあったとき、残りのローンを返済するための仕組みです。住宅金融支援機構の機構団信では、加入者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、残りの住宅ローンは全額弁済されます。死亡保険に住宅ローン返済分を大きく含めていた人は、団信加入後に保障が重なっている可能性があります。7
ただし、死亡保険をいきなりゼロにはしません。団信で消えるのは契約対象の住宅ローンだけで、子どもの教育費や残された家族の生活費は残ります。まず「団信で消えるローン残高はいくらか」を確認しましょう。そのうえで、家族に必要なお金から、遺族年金、配偶者の収入、貯金を引きます。それでも足りない分が、死亡保険を残す目安です。ペアローンなどは消えるローンの範囲が異なるため、契約内容も確認してください。75
医療保険:入院費を貯金で払える?
次は医療保険です。医療費が100万円かかっても、窓口で100万円を払うとは限りません。金融庁の公的保険ポータルは、まず公的保険を知り、足りない部分を民間保険で補う考え方を案内しています。例えば、厚生労働省の高額療養費制度案内では、70歳未満・年収約370万〜510万円の人が1カ月に保険適用の医療費100万円を負担する例で、2026年8月以降の自己負担上限は約9.3万円です。まず見るのは、医療費の総額ではなく、公的制度を使った後に自分で払う金額です。56
ただし、入院中の食事代や差額ベッド代、仕事を休んだことによる収入減は別に考えます。保険証券の横に「入院時に貯金から出せるのは○万円まで」と書いてみてください。公的制度を使った後の支払いと収入減を、その金額でまかなえるなら、特約を小さくできる可能性があります。まかなえないなら、月8000円を先に削らず、足りない金額だけ保障を残します。64
個人年金:解約すると、いくら戻る?
最後は個人年金や貯蓄性保険です。名前に「保険」とありますが、老後のお金を積み立てる役割もあります。金融庁は、途中で解約すると受取額が少なくなる保険があると注意を促しています。「解約返戻金」とは、途中でやめたときに戻ってくるお金のことです。家計が苦しくても、まずこの金額を確認しましょう。4
保険会社には、①今やめるといくら戻るか、②続けるとあといくら払うか、③月々の負担を下げたり、支払いを止めた形で契約を残したりできるか、の3点を聞けば大丈夫です。新しい保険へ乗り換える場合は、年齢や健康状態によって加入条件が変わります。今の保険を先に解約せず、新しい保険が成立してから判断しましょう。4
3つの数字が分からなければ、無料相談を使う
ここまで読んでも、どこから調べればよいか迷うかもしれません。自分で見直せるかどうかは、次の3つの数字を保険証券の横に書けるかで考えてみましょう。
一つでも分からなくても、すぐ新しい保険を選ぶ必要はありません。保険証券、団信の契約内容、個人年金の現在の返戻金が分かる書類をそろえ、まず今の契約を整理しましょう。自分で整理するのが難しければ、無料相談を使う目安です。
Money Now編集部の見方:保険証券に3つの数字を書く
保険の見直しは、難しい計算から始めなくても大丈夫です。まず保険証券を3つに分け、それぞれの横に次の数字を書いてみましょう。7546
この3つが書けると、死亡保険は減らせるか、医療保険はいくら残すか、個人年金は急いで解約しないほうがよいかが見えやすくなります。目標は、月3万円を無理に月2万円へ下げることではありません。貯金で払える小さな負担は自分で備え、家計だけでは耐えにくい大きな負担を保険に残すことです。一人で難しければ、書類をそろえて相談しながら整理していきましょう。
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