翌月のシフトが減っても家賃の支払予定は残ります。ここでは新宿区の民間賃貸に一人で住む給与所得者を想定し、雇用主都合の就業機会減少後の家賃支援を考えます。家賃は共益費別で月6万5000円、金融資産は30万円という仮定です。1
在職中の減収も対象に含む、新宿区の現在の基準
新宿区の家賃補助リーフレットは、本人の責任や都合によらない就業機会の減少で、離職等と同程度の就労状況にある人を対象に含めています。「仕事がある」という理由だけで相談を見送る必要はありません。一方、自分の希望で勤務を減らした場合まで同じ扱いにはできません。1
単身世帯の生活費基準額は9万2000円。収入審査では、これに実際の家賃を上限5万3700円まで加えます。今回の収入基準額は14万5700円です。金融資産の上限は55万2000円で、仮定した30万円はこの範囲に収まります。1
対象になるには住居を失うおそれがあることや、主な生計維持者であることなども必要です。同じ目的の類似給付を世帯で受けていないこと、暴力団員でないことも含めて審査されます。収入と資産が基準内というだけで決定する制度ではありません。1
同じ家賃でも、月収別に残る負担はどう変わるか
以下は、申請月の制度上の対象収入を0円、10万円、14万円に置いたMoney Nowの試算です。いずれも収入基準内で、その他の受給要件を満たし、同じ給付額が3か月続くと仮定します。月収は手取り額ではなく、審査対象として確認される金額を入力しています。125
| 対象月収 | 月の給付 | 月の自己負担 | 3か月の給付 | 3か月の自己負担 |
|---|---|---|---|---|
| 0円 | 5万3700円 | 1万1300円 | 16万1100円 | 3万3900円 |
| 10万円 | 5万3700円 | 1万1300円 | 16万1100円 | 3万3900円 |
| 14万円 | 1万7000円 | 4万8000円 | 5万1000円 | 14万4000円 |
給付がない場合、この家賃だけで3か月19万5000円の支払いになります。受給できれば支払いの一部を補えますが、共益費は別に残ります。敷金や駐車場代も家賃補助の対象に含まれません。表の自己負担は生活費全体の赤字ではなく、家賃から給付を引いた差額です。24
月収10万円でも上限に届く理由は、算式の家賃にある
厚生労働省が示す支給額の算式では、収入が基準額以下なら実家賃を上限まで支給します。基準額を超えるときは「基準額+家賃額-世帯収入額」で計算し、その結果にも支給上限を適用します。2
月収10万円なら、9万2000円+6万5000円-10万円=5万7000円。これが上限を超えるため、給付は5万3700円となります。月収14万円なら、同じ式で1万7000円です。月収0円のケースは生活費基準額以下なので、家賃を上限まで支給する区分です。12
月収10万円でも上限額が出るのは、実家賃を使った計算結果が支給上限を上回るためです。生活費基準額を超えた分だけ、必ず上限額から引かれるわけではありません。12
収入審査で使う家賃には上限がある一方、減額計算では実家賃を入れたうえで給付の上限を適用します。先に家賃を5万3700円へ置き換えて計算すると、このケースの給付を少なく見積もってしまいます。審査を通るかと、いくら出るかは分けて考える必要があります。12
今回の条件では、月収14万円の家賃差額は月収10万円の場合より月3万6700円多くなります。ただし、この差額を「働いた分の損」と読むことはできません。ここで比較したのは家賃だけで、手取りや税・社会保険料、その他の支出を合算した家計全体ではないためです。12
受給を続けるには、活動と期間の条件がある
ただし、金額の計算が成り立っても、求職活動などの要件を満たさなければ受給は続きません。原則3か月の支援を、無条件で9か月続く収入として家計に組み込むことはできません。12
給与所得者の常用就職に向けた活動として、新宿区の案内は相談窓口での面接等を毎月4回以上、ハローワーク等での職業相談等を毎月2回以上、求人への応募または面接を週1回以上としています。活動や区の自立支援計画に基づく就労支援を怠ると、支給を中止することがあります。1
支給は原則3か月で、一定の要件を満たして申請すれば、3か月ずつ2回まで延長できます。金融資産の条件は新規だけでなく延長・再延長にも適用されます。収入や勤務が変わる場合は、表の3か月合計を固定の受給予定額とせず、窓口で扱いを確認してください。1
編集部の見方:次の家賃と申請月を一緒に相談する
Money Now編集部は、この支援を「家賃が消える制度」ではなく、収入を立て直す間の家賃差額を小さくする制度と捉えます。相談時に確かめたいのは上限額だけでなく、自分の対象収入で残る負担と、最初に支援される家賃の支払月です。123
全国一律の申請締切はありません。離職等を理由とする場合は申請日に原則2年以内という対象条件があり、在職中の就業機会減少は別の対象経路です。次の家賃支払前に相談することを勧めますが、その支払日を過ぎると全国共通で申請できなくなるという意味ではありません。申請月の収入が審査されるため、いつ申請するかも相談事項です。123
給付は原則として自治体から貸主等へ直接支払われます。手元に現金が振り込まれる想定で資金繰りを組まず、対象になる家賃の月と支払時期を確かめましょう。過去の滞納分がこの試算で当然に精算されるとは考えず、既に未払いがあればその月と額も伝えてください。23
新宿区生活支援相談窓口の案内に相談先と受付時間が掲載されています。電話は03-5273-3853、月~金曜日の午前8時30分~午後5時、祝日等を除きます。区役所第二分庁舎1階で相談できます。3
最初は賃貸借契約、控除前の額が分かる給与明細、金融機関の通帳、本人確認書類、勤務時間が減ったことを示すシフト表を手元に用意しましょう。今の収入で家賃差額も賄えない場合は、その不足も伝えることが大切です。区は家計改善支援も行っており、転居費用補助は家賃補助とは別の条件で案内しています。35








