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住宅ローンの5年ルールとは?金利が上がっても返済額が変わらない仕組みを試算

住宅ローンの5年ルールでは、変動金利が上がっても返済額がすぐ変わらない場合があります。その5年間に元金と利息の内訳がどう変わるのか、4,000万円・35年の例で確認します。

窓辺のデスクで住宅ローンの書類を確認する人と家の鍵。Money Now編集部イメージ

住宅ローンの金利が上がったのに、毎月の返済額は変わっていない。5年ルールがある変動金利・元利均等返済では、こうしたことが起こります。ただし、返済額が同じだからといって金利上昇の影響がないわけではありません。4,000万円・35年の例で、5年間に何が起きるのか確認してみましょう。

住宅ローンの「5年ルール」は、金利を5年間固定する制度ではありません。ここを最初に確認しておきましょう。金利そのものは見直されますが、毎月の返済額を一定期間据え置く仕組みです。1

5年ルールでは、何が5年間変わらない?

三菱UFJ銀行では、変動金利かつ元利均等返済の場合、返済額を5年ごとに見直します。金利が変更されても次回の見直しまでは返済額は変わりません。一方で、返済額の中に含まれる元金と利息の割合は変わります。1

5年ルールで金利は変わるが毎月返済額は据え置かれることを示す図
5年ルールは「金利を5年間固定する」仕組みではありません。1

つまり、銀行口座から引き落とされる金額だけを見ていると変化がないように見えても、ローンの中身ではすでに金利上昇の影響が始まっている場合があります。

返済額が同じなら、何が変わっている?

元利均等返済では、毎月の返済額は「元金の返済」と「利息」の合計です。金利が上がれば利息が増えます。それでも毎月返済額を変えないなら、その分だけ元金に回る金額が小さくなります。1

4,000万円を35年、金利0.5%で借りたケースを例に確認してみましょう。元利均等返済なら毎月返済額は約10万3,834円です。ここでは仕組みを分かりやすくするため、返済開始直後に金利が1.5%へ上がり、その後5年間は1.5%が続くと仮定します。

Money Now編集部試算。ボーナス返済なし。
状態月返済額利息の目安元金返済の目安
金利0.5%・当初約10.4万円約1.7万円約8.7万円
金利1.5%・上昇直後約10.4万円約5.0万円約5.4万円
金利0.5%から1.5%へ上がると同じ返済額でも利息割合が増える図
返済額は同じでも、利息が増えた分だけ元金に回る金額が減ります。Money Now編集部試算。

この例では、毎月の支払いは約10.4万円のままです。しかし金利上昇直後の利息は月約5.0万円となり、元金に回る金額は約5.4万円まで小さくなります。家計から出ていく金額は変わらなくても、住宅ローン残高が減るペースは遅くなります。

5年間で、ローン残高にはどれくらい差が出る?

同じ4,000万円・35年のケースで、金利0.5%が続いた場合と、返済開始直後に1.5%へ上がって返済額だけ約10.4万円に据え置いた場合を比べます。

Money Now編集部試算。試算を単純化するため金利変更時期を固定しています。
5年後金利0.5%のまま1.5%へ上昇・返済額据え置き
ローン残高約3,471万円約3,661万円
残高の差―約191万円多い
5年後の住宅ローン残高が金利0.5%継続と1.5%上昇で約191万円異なる試算図
毎月返済額が同じでも、5年間積み重なると残高の差になります。Money Now編集部試算。

この条件では、5年後の残高は金利0.5%が続いた場合の約3,471万円に対し、1.5%へ上がった場合は約3,661万円です。差は約191万円になります。5年ルールで返済額が据え置かれている期間も、金利上昇の影響がなくなったわけではないことが分かります。

5年後、返済額はどうなる?

5年後の見直し時点で金利1.5%が続いているとして、残り30年で約3,661万円を返すための毎月返済額を計算すると約12万6,356円です。当初の約10万3,834円から約2万2,500円増える計算です。

5年後の返済額見直しで月約10.4万円から約12.6万円になる試算図
今回の試算では新返済額は当初の約121.7%で、125%以内に収まります。Money Now編集部試算。

ここで関係するのが125%ルールです。採用している住宅ローンでは、5年後に返済額を見直す際、新しい返済額はそれまでの125%を超えないようにします。今回の試算は約121.7%なので上限には達しませんが、より急激に金利が上がれば125%の上限にかかる可能性があります。1

では、借入額が違うと金利上昇の影響はどれくらい変わるのでしょうか。「住宅ローン金利が1%上がると返済額はいくら増える?」では、3,000万〜8,000万円の借入額別に月返済額を比べています。こちらは金利1.0%と2.0%がそれぞれ35年間続く条件での比較です。自分の借入額に近いケースも確認してみましょう。

5年ルールは「支払いを先送りして得をする制度」ではない

返済額が5年間変わらないと、金利上昇の負担を銀行が肩代わりしてくれているように感じるかもしれません。しかし実際には、利息の割合が増えて元金の減りが遅くなります。適用利率が急上昇し、利息だけで返済額を超える場合には、超過分が未払利息として翌月以降へ繰り延べられることもあります。1

5年ルールの役割は、金利上昇直後に家計から出ていく金額が急増するのを抑えることです。支払うべき利息や元金そのものを減らす制度ではありません。

すべての変動金利に5年ルールがあるわけではない

ここは特に注意したいところです。5年ルール・125%ルールは、すべての変動金利住宅ローンに共通する制度ではありません。金融機関、商品、返済方式によって扱いが異なります。

たとえば三菱UFJ銀行では、変動金利かつ元利均等返済には5年ルール・125%ルールがありますが、元金均等返済にはありません。変動金利だから自動的に5年間返済額が変わらない、と考えないようにしましょう。1

自分の住宅ローンで確認したい4つ

まず金融機関のアプリ、返済予定表、商品説明書を開いてみてください。確認したいのは、現在の適用金利、現在のローン残高、返済額の次回見直し時期、5年ルール・125%ルールの有無です。三菱UFJ銀行でも、返済予定表で適用利率や返済額などを確認できると案内しています。1

金利が上がったニュースを見て、今月の引き落とし額だけを確認して終わりにするのではなく、元金がどれくらい減っているか、次回の返済額見直しがいつなのかまで確認すると、家計への影響をより正確につかめます。

5年ルールは「負担を消す」のではなく「変化をゆっくりにする」

5年ルールがある住宅ローンでは、金利が上がっても毎月返済額がすぐには増えません。その代わり、返済額の中で利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります。そして次の見直し時には、その時点の残高と金利をもとに返済額が再計算されます。

「返済額が変わっていないから大丈夫」ではなく、「返済額が変わっていない期間にローンの中身がどう変化しているか」を見ることが、5年ルールを理解するポイントです。

一次情報・参考資料

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