10月1日に効力が生じる3社の株式分割は、日程が同じでも、個人投資家が100株を買うために必要な資金の下がり方が違います。さらにSMFGでは、分割で株数が2倍になっても、初回の株主優待を受けるための保有条件は半分になりません。まずは3社の公式発表を同じ項目で並べます。1234
10月1日に3社が5分割・3分割・2分割
東京エレクトロンは1株を5株に分割します。基準日は2026年9月30日、効力発生日は10月1日です。会社は、投資単位当たりの金額を引き下げ、投資しやすい環境と投資家層の拡大を目指すとしています。1
キオクシアHDの分割比率は1株から3株、SMFGは1株から2株です。両社も9月30日を基準日、10月1日を効力発生日とし、投資単位の引き下げと投資家層の拡大を目的に掲げました。23
| 会社 | 証券コード | 分割比率 | 基準日 | 効力発生日 |
|---|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン | 8035 | 1株→5株 | 9月30日 | 10月1日 |
| キオクシアHD | 285A | 1株→3株 | 9月30日 | 10月1日 |
| SMFG | 8316 | 1株→2株 | 9月30日 | 10月1日 |
100株を買う資金は理論上20%・33.3%・50%へ
東証の株式分割の仕組みでは、1株を5株に分割すると理論上の株価は5分の1になり、100株単位の最低投資額も5分の1になると説明されています。分割直前の株価をP円、分割比率をnとすると、分割前の最低投資額はP×100円、分割後は(P÷n)×100円です。6
この式に3社の分割比率を当てはめると、東京エレクトロンの最低投資額は分割前の20%、キオクシアHDは33.3%、SMFGは50%になります。下がる幅で見ると、それぞれ80%、66.7%、50%です。実際の買付額は10月1日以降の市場価格で決まりますが、企業価値が同じという前提で投資単位がどれだけ小さくなるかは比率で比較できます。1236
3社で同じなのは効力発生日までで、100株を買うための資金が下がる幅は、東京エレクトロンの80%からSMFGの50%まで開きます。1236
背景にある東証の「50万円未満」と10万円台への期待
東証は望ましい投資単位を50万円未満としています。2026年3月末時点で50万円未満の会社は93.4%に達しましたが、東証は同年7月28日、50万円以上の会社へ株式分割の検討を改めて要請しました。個人投資家から10万円台までの引き下げを期待する声が多いことも示しています。5
東京エレクトロン、キオクシアHD、SMFGの3社が共通して掲げるのも、最低投資金額を下げて投資しやすくし、投資家層を広げることです。同じ10月1日でも、5分割を選んだ東京エレクトロンほど、分割前後で100株の購入ハードルは大きく変わります。1235
SMFGは50株が100株になっても初回優待の対象外
買いやすさとは別に確認したいのが株主優待です。SMFGは2026年9月30日を初回基準日として優待制度を始めますが、同社の株主優待案内は、初回を分割前の保有株数で判定すると明記しています。SMFGでは、2026年9月30日時点で50株を保有し、分割後に100株となっても初回優待の対象にはなりません。43
初回の基準は100株以上と1000株以上です。2027年9月30日以降は分割を反映し、それぞれ200株以上、2000株以上へ読み替えます。つまり、株価と最低投資額は理論上2分の1になっても、優待の保有条件まで実質2分の1になるわけではありません。4
優待内容ごとに、保有株数のほか、同じ株主番号での継続保有期間やOliveアカウントの契約などが設定されています。分割後の株数だけを見て対象と判断せず、自分が狙う特典の条件を分けて確認する必要があります。4
株数は増えても、保有株全体の実質的価値は変わらない
株式分割で変わるのは、株数と1株当たりの理論価格、100株を買うための投資単位です。東証の例では、株価2万円の株を100株持つ人が1株を5株に分割されると、理論株価は4000円、保有株数は500株になります。分割前の200万円と、分割後の4000円×500株=200万円は同じです。6
同じ考え方なら、東京エレクトロンを100株持つ人は500株、キオクシアHDは300株、SMFGは200株になります。株数の増加自体を利益と見るのではなく、これから100株を買う人の入口がどれだけ下がるかと、保有者の経済価値が保たれることを分けて捉えるのが要点です。1236
Money Now編集部の見方:買いやすさと買う理由は別に見る
今回の3社では、東京エレクトロンの5分割が購入ハードルを最も大きく下げます。キオクシアHDは3分の1、SMFGは2分の1です。これまで100株単位では資金配分が難しかった投資家にとって、個別株を組み入れやすくなる変化と言えます。1236
10月1日に見るべきなのは、株数が何倍になったかだけではありません。最低投資額がどこまで下がるか、優待条件が同じ経済単位で保たれているか、そのうえで業績を買う理由があるかを分けて考える局面です。12346













