まず対象確認:5年・125%ルールは全契約の共通仕様ではない
住宅金融支援機構の2025年度調査では、変動型住宅ローンを扱う金融機関293機関の77.1%が、金利上昇時の返済額見直しとして5年・125%ルールを回答しました。最も多い方式ではありますが、17.4%は上限なしで適用金利に合わせて見直す方式です。調査は金融機関への供給側調査であり、個々の契約割合ではありません。1
| 契約 | 金利上昇時 | この記事の試算 |
|---|---|---|
| 変動金利・元利均等・5年ルールあり | 月返済は見直しまで据え置き、元金と利息の内訳が変わる | 対象 |
| 変動金利・元利均等・都度見直し | 適用金利変更の都度、月返済を再計算 | 通常再計算額だけ参考 |
| 変動金利・元金均等 | 元金は一定、利息の変化が返済額へ反映 | 対象外 |
三菱UFJ銀行と三井住友銀行の公式説明では、5年・125%ルールは変動金利の元利均等返済に適用され、元金均等返済には適用されません。商品や借入時期による別扱いもあるため、返済方式と見直しルールの記載を契約書で確認します。348
通常再計算なら月+1万4266円。5年ルールはこの差を消す制度ではない
Money Now編集部が元利均等返済式で計算しました。月利を r、残高を P、残り回数を n とすると、月返済額 A=P×r×(1+r)^n÷((1+r)^n−1)です。P=3000万円、n=420回、r=年利÷12とし、表示額は1円未満を四捨五入しました。金融機関の日割りや端数処理は含みません。26
| ケース | 適用金利 | 月返済額 | 上昇前との差 |
|---|---|---|---|
| 上昇前 | 年0.7% | 8万5556円 | ― |
| 通常の即時再計算 | 年1.7% | 9万4823円 | +1万4266円 |
| 5年ルール据置中 | 年1.7% | 8万5556円 | 引落額は0円、内訳が変化 |
同じ8万5556円でも、初回の利息は2万5000円増える
年0.7%の初回利息は3000万円×0.7%÷12=1万7500円で、元金へ6万3056円を充てます。年1.7%なら利息は4万2500円、元金は3万8056円です。引落額は同じでも、利息は2万5000円増え、元金の減りは2万5000円遅くなります。34
旧返済額を60回払い続けると、支払総額483万3374円のうち、元金は238万1467円、利息は245万1907円です。60回後残高は2761万8533円。金利が0.7%のままなら2615万780円なので、残高差は146万7753円になります。金利上昇後に9万4823円へ即時再計算した場合との残高差も89万2758円です。42
5年後の新返済額は9万7990円。125%上限にはかからない
60回後残高2761万8533円を残り360回、年1.7%で返すと、新返済額は月9万7990円です。旧返済額から1万7434円増えます。旧返済額の125%は10万695円なので、この例は上限を2705円下回り、125%ルールで切り下げられません。125%は金利や利息、残高の上限ではなく、見直し時の月返済額の上限です。482
適用金利が変わる日と、返済額が変わる日は別に確認する
三菱UFJ銀行の2026年の金利見直し案内では、2026年8月31日以前の対象ローンのうち、毎月型は9月1日基準の新利率を10月返済日の翌日から適用し、11月約定返済分から反映します。年2回型は10月1日基準の新利率を12月返済日の翌日から適用し、2027年1月約定返済分から反映します。5
MUFGの金利選択申込の商品説明では、5年ごと見直しの場合、10月1日を5回経過した直後の12月返済日に残高・適用利率・残存期間で再計算し、翌1月返済分から変更します。ただし2008年12月以前の一部ローン、ボーナス返済、提携ローンなどには別ルールがあり得ます。自分の起算月と次回見直し月は通知と契約書が優先です。45
基準金利ではなく適用金利を使う。優遇幅の扱いも契約型で分ける
三菱UFJ銀行の基準金利と優遇幅の説明では、通期優遇型は返済期間を通じて一定の優遇幅を適用し、当初期間優遇型は当初固定期間後に優遇幅が縮小すると説明しています。契約型を混同せず、試算には通知された優遇後の適用金利を使います。延滞などで優遇の扱いが変わるかは、記事から一般化せず自分の契約条項を確認します。76
最初の15分:返済予定表の元金欄を前回分と比べる
- 契約書と最新返済予定表で、元利均等・元金均等の別を確認する
- 5年・125%ルールの有無、10月1日などの起算基準、次回返済額見直し月を探す
- 通知から最新残高、残り回数、改定前後の適用金利、優遇幅、ボーナス返済を転記する
- 返済予定表の前回分と改定後で、利息額と元金充当額を比べる
- 借入先へ、改定後の内訳表、見直し時点の試算、未払利息と最終回の処理を請求する
住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションは、返済額だけでなく諸費用を含む総支払額を最大3プランで比較できます。この記事の3000万円例は仕組みを確かめる条件付き試算です。最終判断は、自分の最新残高と残期間を使った借入先の返済予定表で確定してください。2















