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【国民年金】60歳から不足12月を補う任意加入、費用は21万5040円の試算に 増える年金と申出時期をどう考える?

納付済468月・未納12月・免除なしを基本に、6月しか納められない場合と比較。令和8年度額固定の試算から、65歳開始後の単純回収期間と、年度をまたぐ実際の保険料、繰上げ前に確かめたい条件を整理します。

公共窓口の待合席で青い通帳を手に確認する60代の人物のイメージ写真

国民年金の納付記録が満額に届かなくても、60歳以降の任意加入で年金を増やせる場合があります。令和8年度の保険料は月1万7920円。ただし、不足分を好きなときにまとめて買い足せる制度ではありません。納付済468月、未納12月の人を例に、追加で払う額と65歳からの増額を比べると、申出の時期が持つ意味が見えてきます。

ここで扱うのは、すでに年金を受け取る資格があり、老齢基礎年金の金額を増やしたい人の選択です。厚生年金を含む年金総額や、他の受給者の平均額から不足を逆算するのではなく、自分の納付記録から必要な月数を数えます。3

不足12月を補えるかは、本人の記録と現在の加入状況で決まる

日本年金機構の任意加入制度の対象条件では、国内に住所がある60歳以上65歳未満、老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない、20歳以上60歳未満の納付月数が480月未満、厚生年金保険・共済組合等に加入していない、の四つをすべて満たす必要があります。1

本記事は日本国内に住む日本人で、20歳から60歳までの納付済期間が468月、未納が12月、免除期間はなく、退職後は厚生年金等に入らず、繰上げもしていないケースを置きます。20歳以上60歳未満の厚生年金加入期間や第3号被保険者期間も、老齢基礎年金の納付済期間に含まれます。自分で納付書を使って払った月だけを数えると、必要月数を多く見積もってしまいます。13

この条件なら満額までの不足は480月−468月=12月です。任意加入で増やせるのは上限までの期間であり、原則65歳未満で納められる月数にも制約されます。任意加入は申出月から始まり、申出前の月へ遡れません。過去の未納月をそのまま納付済へ書き換える手続きではなく、新たな加入期間を積み増して年金額を補う仕組みです。136

12月なら支出21万5040円、6月なら10万7520円の試算

計算の基礎は、老齢年金ガイドの年額と計算式です。令和8年度の老齢基礎年金の満額は年84万7300円。今回の年齢層に適用する額で、表示された月額を12倍して年額を作りません。免除のないケースでは、満額に納付済月数の480分の割合を掛けます。3

以下は保険料と年金額を令和8年度の水準に固定したMoney Nowの試算です。前納・早割の割引、付加保険料・付加年金、税の効果を含めません。12月分の支出は1万7920円×12月=21万5040円、増える年金の計算上の年額は84万7300円×12月÷480月=2万1182.5円です。23

令和8年度額固定の試算。12月追加は保険料215040円、年増額21182.50円。6月追加は107520円、10591.25円。増額は年金全体の端数処理前。
出所:日本年金機構「国民年金保険料」「老齢年金ガイド」からMoney Now編集部試算。令和8年度額固定、割引なし。増額は年金全体の端数処理前。23

65歳までに納められる期間が6月しかなければ、支出は1万7920円×6月=10万7520円、増額は84万7300円×6月÷480月=年1万591.25円です。納付済月数は474月となり、不足12月のうち半分を補う計算です。12月追加して480月になる場合と違い、満額には届きません。123

図の小数は比較のために残した計算値です。実際の年金額は全体を計算した後に1円未満を四捨五入するため、加入前後の円単位の年額を引いた差と、増額だけを先に丸めた値は一致しない場合があります。また、60歳の人が65歳になる年度の年金額を予告するものではありません。将来の改定を反映した額は、その時点の水準で決まります。3

回収期間が同じでも、申出を待つことで失う増額はある

追加できる月数が半分になると、支出も年金の増額も半分になります。単純回収期間は同じでも、生涯の年金に上乗せできる金額は同じではありません。23

12月追加の支出21万5040円を、丸め前の年増額2万1182.5円で割ると10.151776…年、約10.2年です。6月追加でも10万7520円÷1万591.25円で同じ結果になります。追加月数が分子と分母の両方に掛かるためです。これは65歳から増額分を受け取り始めた後の期間で、60歳で払った時点から約10年で回収する意味ではありません。23

この試算では、年金の改定、税・社会保険料への影響、お金の時間価値を考慮していません。受給が続く期間によって受取総額は変わり、支払額の回収を保証する数字でもありません。任意加入を長期に受け取る年金の増額として見るなら、回収年数と併せて毎年いくら上乗せできるかが判断材料になります。3

申込みに全国一律の締切日はありません。ただし、受給資格を満たしている今回の人が不足12月をすべて補うには、原則65歳になるまでに12月納められる必要があります。相談を待った結果、納付可能月数が6月まで減れば、年金への上乗せも図の6月分までになります。生年月日と申出月から実際に何月納められるかを、窓口で確認する意味はここにあります。16

年度をまたぐ保険料と、任意加入を選べない条件

支払額は、国民年金保険料の金額と社会保険料控除も確認したいところです。納めた保険料は全額が所得税・個人住民税の社会保険料控除の対象ですが、払った額が全額戻るわけではありません。所得控除の効果を含める家計の計算では、今回の割引・税効果なしの試算と区別します。2

年度をまたぐ納付に、月1万7920円を一律に使うこともできません。例えば2026年9月から2027年8月まで12月納めるなら、令和8年度分は7月、令和9年度分は5月です。令和9年度の月1万8290円を使うと、割引前の総額は1万7920円×7月+1万8290円×5月=21万6890円となり、年度固定の21万5040円より1850円増えます。これはその期間をすべて加入・納付できる場合の例です。25

任意加入中は保険料の免除・納付猶予を申請できません。また、老齢基礎年金を繰上げ受給している人や、厚生年金等に加入している人は今回の任意加入の対象外です。月々の支払が難しいときに免除で続ける前提や、繰上げ後に不足を補う前提では選べません。1

免除期間がある人も、今回の「未納12月、免除なし」の増額をそのまま使えません。免除の種類と時期によって年金額への反映割合が異なるためです。また、受給資格が足りない人向けの65歳以降の特例加入を、資格を満たす人の満額への延長枠と捉えないようにしましょう。今回の468月納付済の人は、その特例を使って不足を埋めるケースではありません。36

編集部の見方:回収年数の比較より先に、開始月を確定する

Money Now編集部は、任意加入の判断では「回収までの年数」と「納付できる残月数」を別々に見る必要があると考えます。前者は支出と将来収入の目安、後者は選択肢が残っているかの確認です。まず不足の内訳と開始月を確定し、そのうえで生活費を圧迫せずに納められる月数を決める。この順番が、満額への焦りを具体的な家計判断へ変えます。123

最初の行動は、ねんきんネットで年金記録を確認することです。「年金記録を確認する」から一覧を開き、納付済月数と未納・免除の内訳を確認します。その結果をもとに、市区町村の国民年金窓口または年金事務所へ「何月から加入し、満額まで何月必要か」を相談してください。4

国内での任意加入は原則として口座振替です。相談・手続きでは、通帳など口座情報が分かるものと金融機関への届出印、基礎年金番号が分かる書類またはマイナンバーによる必要書類を用意します。口座から毎月引かれる額と納付を終える時期まで見通せれば、将来の増額と今の暮らしを同じ家計の中で判断できます。1

一次情報・参考資料

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    一次情報 · 日本年金機構

    任意加入制度
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    一次情報 · 日本年金機構

    国民年金保険料
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