比較するのは、2026年9月30日に退職する新宿区在住の45歳です。本人の2025年の総所得金額等は250万円、退職時の標準報酬月額は30万円とします。総所得金額等は年収や手取りとは異なる、国保の計算に使う所得です。4
退職翌日を起点に、加入先ごとの期限を確認する
退職前は協会けんぽの被保険者期間が継続して2か月以上あると仮定します。退職後は本人だけが国保に加入する案、任意継続する案、同居する配偶者の協会けんぽの扶養に入る案を比べます。配偶者は年収500万円で本人の生計を維持し、本人は今後の給与・年金・失業給付等がない設定です。27
退職日の翌日、10月1日が資格喪失日です。新宿区の国保の届出は、資格喪失から14日以内に当たる10月14日(水)まで。任意継続は退職翌日から20日以内なので10月20日(火)までです。郵送による任意継続は消印ではなく必着です。629
任意継続は20日目が土日・祝日なら翌営業日ですが、この例の20日は該当しません。国保の14日も平日です。国保を郵送する場合の到着扱いや電子申請の受付、窓口時間は新宿区に確認し、二つの期限を一つにまとめないようにしてください。629
扶養を希望する場合、日本年金機構の被扶養者異動届の案内は、事実発生から5日以内に事業主を経由して提出するとしています。退職前に配偶者の勤務先へ連絡し、認定日、社内提出日、退職と今後の収入を示す書類を確認しましょう。扶養の回答待ちを理由に、国保や任意継続の期限が自動で延びる前提にはできません。7
同じ半年で見ると、国保の概算相当額は17万7090円
任意継続は、東京支部の現行保険料額表の標準報酬月額30万円・介護保険対象者の欄で月3万5100円です。健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、介護保険1.62%の合計11.70%を30万円に掛けた額になります。1
2026年10月~2027年3月の6か月に現行月額を当てはめると21万600円です。これは料率を固定した比較試算です。任意継続には料率変更などによる改定があるため、2027年3月分を含む実際の総額は新しい保険料通知でも確認してください。前納による割引は織り込んでいません。12
国保は、新宿区の2026年度の計算方法で算定します。250万円から基礎控除43万円を引いた207万円が算定基礎額です。本人1人について、所得割と均等割を各区分で足します。45歳なので介護分も対象です。3
| 区分 | 算定基礎額×料率+均等割 | 年額相当 |
|---|---|---|
| 医療分 | 207万円×7.51%+4万7600円 | 20万3057円 |
| 後期高齢者支援金分 | 207万円×2.80%+1万7600円 | 7万5560円 |
| 介護分 | 207万円×2.43%+1万7800円 | 6万8101円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 207万円×0.27%+1873円 | 7462円 |
合計は35万4180円で、新宿区の概算早見表の「総所得250万円・介護分あり」と一致します。これを加入期間6か月相当に直すと、35万4180円×6÷12=17万7090円。年額の再計算と半年換算には端数が生じず、途中で丸めていません。ただし、これは公表概算の期間換算であり、区が月割増減や賦課時の端数を反映して確定する請求額ではありません。453
扶養に10月1日から継続して認定される場合、本人についての追加保険料は0円です。国保との比較で17万7090円、任意継続との比較で21万600円の負担差になります。ここで比べているのは退職した本人の加入による健康保険料等の追加負担で、配偶者自身が元から払っている保険料は含めません。27
差の理由は、国保が前年所得、任意継続が標準報酬を見ること
このモデルの国保は、仕事を辞めて収入がなくなっても無料にはなりません。それでも、現行料率を固定した任意継続との差は半年相当で3万3510円です。差を生むのは、退職後の無収入そのものではなく、二つの制度が参照する金額の違いです。314
任意継続は、在職中に会社が負担していた分も本人が払います。国保は前年の総所得金額等から基礎控除を引き、加入人数に応じた均等割も加算します。今回、配偶者は国保に加入しないので、配偶者の年収500万円を本人の所得割の計算に足してはいません。23
同じ「収入がない」でも、国保の計算では前年所得が残り、扶養の認定では今後の収入見込みが重要になります。したがって、前年に働いていたことだけで扶養を選択肢から外すと、この例では保険料負担の最も小さい案を確認しないままになる可能性があります。732
国保の納入通知書では、12か月分の「算出合計額」と、加入月数などを反映した「年間保険料額」を見分けましょう。原則の年10回払いは、加入期間が10か月という意味ではありません。退職後の資金繰りには、半年分の総額とともに、通知書の納期別内訳を使います。54
失業給付や退職理由が変われば、選べる案も変わる
ただし、失業給付を受ける場合は「給与がないから扶養に入れる」とは限りません。この45歳の例では、雇用保険の基本手当が日額3612円以上で支給され始めると、扶養削除の届出が必要です。7
扶養の原則的な収入条件は、この年齢なら年間見込み130万円未満で、同居の場合は配偶者の年間収入の半分未満です。給与のほか、公的年金や失業等給付も収入に含みます。今回の無収入設定は条件を満たす方向ですが、認定そのものは勤務先を通じた手続きで確定させます。7
倒産や解雇等で離職し、離職時65歳未満など新宿区の指定条件を満たす場合、届出によって前年の給与所得を30%として国保を計算する軽減があります。単に退職した人全員が対象ではなく、雇用保険受給資格者証等の離職理由番号も確認します。この軽減は基本試算に含めていないため、対象なら国保を見積もり直してください。8
また、国保に加入する家族が増えれば均等割などが変わります。今回の差額は本人1人の条件です。年齢、加入人数、前年所得、退職時の標準報酬が違う人は、その値で比較し直す必要があります。試算には社会保険料控除による税負担の変化や医療機関での自己負担は含めていません。31
編集部の見方:扶養の回答と国保の見積もりを並行して取る
Money Now編集部は、この例では扶養の認定可否を最初に確かめ、その回答と並行して国保の見積もりを取る順番が合理的だと考えます。前年所得があることだけで扶養を諦めず、反対に無収入という理由だけで国保をゼロ円と見込まないことが、退職後の資金計画を立てる出発点です。731
まず退職予定日と資格喪失日をメモし、配偶者の勤務先へ扶養認定の可否を聞きます。同時に、新宿区の国保加入手続きと必要書類を確認し、区には前年所得が分かる資料を、協会けんぽには標準報酬月額を伝えて見積もりを取りましょう。国保には健康保険の資格喪失証明書などが必要です。6
扶養の認定が難しい、または回答が届かない場合は、10月14日と20日が来る前に各窓口へ状況を伝え、加入先と手続きを確定させます。届出を遅らせても国保の保険料は資格が生じた月までさかのぼります。遅れた場合の受診費用の精算は区に確認し、期限を過ぎれば一律に医療給付を失うとは考えず、まず届出を進めてください。62








